身体の危険と、休肝日三日目からの悪夢

ストレスと免疫

自由すぎておかしくなる

奥さんが三週間ほど家を留守にすることになった。 それをきっかけに、この一週間ほどはひたすら昼飯時あたりから夜寝るまで飲み続ける生活を送っていた。結果、午前中の体調に明確な身の危険を覚えるレベルにまでなってしまった。

会社を辞めてストレスフリーになったが、やがて会社に居たころのような重くてどんよりしたメンタルになってきてしまう。アルコールは一時的に脳の興奮を抑る、日常的に飲み続けると、脳はバランスを取るために自らストレスホルモン(コルチゾールなど)を過剰に分泌するようになる。結果として、何も悩みがないはずなのに慢性的な不安やストレスを感じやすくなり、働いていた頃のような心の不調が再現されているという事らしい。

まず、血圧が異常に高い自覚症状がある。朝起きた時点で、首から上に血液が異常に集中している感覚がする。少しでも感情の変化があると、それに連動して心拍数が跳ね上がるのが分かる。

ごみ捨ての帰り、マンションのエレベーターのカゴの奥にある姿見に映った自分の顔を見たら、明らかに顔が真っ赤になっていた。

先日受診した(2022年に受けた胃がんの手術後の)定期検査時、看護師から怒ったような口調で「150の200」と言い捨てられたことを思い出す。実際、自宅の血圧計で測定すると120/180だった。 これが、休肝日を二日作っただけで90/150まで下がった。数値は正直だ。

もうひとつ、アルコール依存の離脱症状と思われる「企図振戦(きとしんせん)」が激しくなってきた。じっとしている時は何ともないのだが、ドライバーを握ってネジを締めようとしたり、キーボードを叩こうとすると、指先の震えが急激に大きくなる。これが慢性化してしまえば、脳の一部が完全に破壊された状態になってしまう。そう考えて、久しぶりに休肝日を作ることにした。

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休肝日でよいことしかないはずが

休肝日三日目、酒を飲まずに寝ることによるメリットはすぐに現れた。 夜中に尿意で起きる回数が、三回から一回に減った。翌朝起きてから、失われた水分を補給するために延々と水を飲み、20分〜30分おきにトイレに駆け込む必要もない。朝一番の気力も、それなりに保たれている。

反面、悪い変化もある。 一時間から一時間半ほどで必ず目が覚めてしまう。この中途覚醒は、以前一週間ほど酒を断ち続けてたが改善されないまま、また大量飲酒に戻ってしまった。 そして、かつて仕事でストレスを満載に抱えていた時期に繰り返し見ていた内容と、全く同じ悪夢を再び見るようになった。

会社を辞めると決めてからはピタリと見なくなっていた夢だ。 この現象は不思議でならない。身体が正常な状態に戻るプロセスとして、転がっていった坂を上りきらないといけないようだ。

禁酒を始めると、それまで抑制されていた脳の活動が急激に跳ね上がる「レム睡眠のリバウンド」という現象が起きるらしい。これにより、脳が異常に興奮した状態で夢を見るため、過去のトラウマや焦燥感を反映した「生々しい悪夢」を頻繁に見るようになり、1〜2時間おきに目が覚めるようになるという事らしい。これは脳が正常な睡眠サイクルを取り戻す過程で必ず通る、典型的な離脱症状(好転反応の一種)なのでよいことらしい。

よく見る悪夢のパターン

自分が車の運転席にいて、車はじりじりと前進している。ブレーキをいくら踏み込んでも全く止まってくれず、前の車に衝突する直前で恐怖のあまり目が覚める。

あるいは、地面から何十メートルもあるような、異常にサドルの高い自転車を運転している。降りたいのに足が届かず、降りられない。

昔全然勉強についていけずに中退した大学に身を置いていて、そこを卒業するために校舎の中をひたすら歩き回っている夢もある。理由は不明だが、時間だけが過ぎていき、だんだんと焦燥感に駆られていく。

高校まで育ったマンモス団地が、現実よりもさらに広大になって目の前に現れ、家に帰るために延々と歩き続ける。

巨大な電気街と複数の路線が交差する街をあちこち彷徨い、なぜか電気街の中の本屋で目的の本を探し回っている。たまに電車に乗って帰ろうとするが、何度も同じ駅で降りてしまい、その先をまた歩き回る。家に帰りつく前に目覚める。

昔住んでいた団地の部屋のトイレが、オカルト的なグロテスクさで荒れ果てている夢も見る。これはおそらく、睡眠中に実際に尿意を催しているか、お腹を下している時の身体反応なのだろう。 これらの夢には、かつて自分に多大な迷惑をかけた身内の人間がほぼ毎回登場する。

いつも同じパターンの夢であり、自分の知っている景色と、全く知らない見知らぬ場所が奇妙に連続している。

脳からアルコールで迷走した神経がもとの場所にもどろうとして、過去の澱を踏んでしまい拡散してこのような記憶を再生しているのかもしれない。体調の数値は良くなっているが、夜の脳内はまだ平穏とはいかない。

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